アスリートの影響力は想像以上に大きく、何億人もの人々にメッセージを届けることができます。試合や競技を通して、希望や感動を与えるだけではありません。社会の課題に気づき、アスリートが発信することで、社会を変えることが可能です。
アスリートが社会課題について発信する影響力は年々増加しています。インスタグラムのフォロワー数が500万人を超えるアスリートの95%が、2020年にSNSで社会課題に対して問題提起を行いました。その価値は、約460億円相当と言われています。2023年には2020年の4倍の1,740億円に増加すると予測されています。
なぜアスリートの影響力はこれほどまでに大きくなっているのででしょうか?それは、解決したい社会課題を多くの人々に発信したい企業にとって、アスリートの影響力がとても魅力的だからです。
企業は長期的に持続可能な経済活動を実現するために、社会課題の解決と企業の成長と利益を両立しつつあります。しかし、社会課題を解決するためには、企業の努力だけではなく、社会の人々に広く取り組みを理解してもらい、そして応援してもらう必要があります。そのため、アスリートが持つ影響力を企業が求めるようになりました。
また、アスリート自身も社会課題の影響を大きく受ける社会の一人です。気候変動による猛暑や積雪量の減少等により練習時間が短くなる等の影響があります。また、人種や思想等による差別を受けることも少なくありません。
アスリートが感じた社会課題や自身の信念・哲学と、企業が実現したいビジョンや目標等の目指すべき方向性が一致した時に、社会課題を解決するための素晴らしい発信力をアスリートは持つことができます。
一方で、社会の人々は企業に対して、より社会課題の解決を求めているという調査結果があります。
日本での企業の社会課題への取り組みに関するアンケート結果では、経済的不平等、気候変動、信頼できる情報の入手、従業員の新たなスキル開発、組織的な不正や差別、医療へのアクセス等のテーマに対して、企業の取り組みは不十分であると回答した割合が高い結果となりました。
社会課題の解決に向けて企業への期待がより一層高まっており、今後ますます企業はアスリートやスポーツ団体とのパートナーシップを求めていくと考えられます。世界のスポンサー市場は2030年には、2022年の2倍の28兆円に成長すると言われています。
このようにアスリートが社会に向けて発信する影響力は年々力強さを増しています。市場が大きくなっていることから、それに企業も期待を寄せていることが分かります。
アスリートが社会の課題に目を向け、気づいたことから発信することで、社会が変わるきっかけを作ることが可能です。